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太陽光発電のツール

たまに出席して「俺の名前が分かるか?」と訊かれても、三〇年ぶりの再会ですぐには名前は出てこない。
K学園の同窓で、東京に出てきている人の「新五会(新制五回生)」は毎年開かれ、一時間ほどでお開きになるが、後は親しい仲間に互いに別れて二次会に行く。
 K大のクラスの同窓会「メディウム会」も、メンバーの多くが定年退職、退官し、話題はもっぱら健康の話や、子どもや孫の話、昔の友人の消息の話。
いまも現役の人とは話題が異なる。
 これらの人たちに共通するのは、地方出身者も東京で働いた人は東京を離れないことだ。
 吉田兼好は「持つべき友は薬師(医者)」と言っているが、私も親しい医者がいる。
友人の紹介でも、それなりの病院へすぐに入院ができる。
よいと評価される病院、名医と評価の高い医師、ともに東京に多い。
晩年の大事なことのひとつである。
 私は数年前までHヒルズに住んでいた。
知人で戸建てから同じ棟に引越して来て、階段の昇降が大変になってからという人がいた。
戸建てはセキュリティが悪いことをいった人もいた。
いま広尾ガーデンヒルズに住む人の平均年齢は、推察だが六〇歳を超えているようだ。
すぐ近くに、もっぱら高齢者を対象にした食品店があり、日赤病院もある。
 東京には一流のフランス料理、中国料理、イタリア料理、懐石料理、ベトナム料理、スペイン料理、インド各地の料理など世界中の料理店がある。
トルコ料理やレバノン料理の店もある。
ジャズクラブも多い。
アーティストがNYから来るBは、NYの三倍ほどの広さである。
 また、Rに平成一九年一月に開館した国立新美術館は所蔵の美術品がない美術館である。
一年中世界の美術展が開かれていて盛況である。
UにあるO美術館、東K地区美術館も所蔵美術品がなく、常時世界の美術品の来日展が開かれている。
NYには三〇〇万点もの美術品を所蔵するメトロポリタン美術館やニューヨーク近代美術館がある。
後者は日本の建築家Yさんが選ばれて、二〇〇四年、新館が建設された。
そこは近代美術館の殿堂だが、ピカソ、セザンヌ、ゴッホなど二万点の所蔵品がある。
美術品のない立派な美術館が建てられ、世界の美術館の来日展だけを開催して盛況なのは東京だけだろう。
 東京はオペラの来日公演も多い。
オペラの上演数も世界で東京が一番多い。
会場が足りず昨年は新国立劇場も外国のオペラの来日公演に貸し出された。
バレエも同様で、イギリス、ロシア、フランスなどからの来日公演が、東京では年に一〇回以上行なわれている。
 高齢になると地方に移住する夫婦がいると、新聞、テレビや雑誌などでよく紹介されるが、そのような人は少数派だと思う。
私も四〇歳から三〇年間、年に二〇日間はY高原に出かけてきた。
かつて一緒に仕事をした人、知人や友人も多い。
美しい自然、人々の人情が厚い。
新鮮な食材が豊富。
私の住まいや畑もあり、春夏秋冬を通して出かけている。
Iは私にとって故郷だが、そこに老後永住はできない、東京と行き来する、と思っている。
 東京と同様の現象はNYにもある。
 NYにあるヒルトン系列の高級ホテル、Wホテルの後ろ側にWタワーがあるが、そこからの眺望は素晴らしい。
タワーには独立したキッチンが付いていて、ホテルのリネン、クリーニング、清掃などのサービスが受けられる。
S夫人のOも、S没後、Wタワーに移り住み一〇六歳の生涯を閉じた。
 また、戦後GHQで天皇の戦争責任を問わず日本を民主国家にすることに貢献したM夫妻も、「老兵は死なず、消え去るのみ」の言葉を残し、退役して、晩年はそこで暮らしていた。
 Pホテルは、上層階がキッチン付きの長期滞在型のアパートメントとして分譲された。
もちろんホテルでリネンの交換やクリーニング、清掃などを行なってくれる。
 富裕層の高齢者は、NYを安住の地として選択する人がこれからも多くなるだろう。
 SOHOと通称されたグリニッジビレッジ一帯も建て替えられて新しい街になり、そこにいた芸術家の卵はマンハッタンのイーストリバーの対岸のブルックリンの新しい街に移った。
 NY勤務が長くNY現地法人社長から旧富士銀行の副頭取になったNは、「娘がNYにいるので時々出かけるが、僕がいた頃バブルだったが、いまの家賃は当時より五割ほど高いかなあ。
買うとなれば二倍以上だろう」と話していた。
NYのアパートは投資の対象になっているようだ。
NYはいまだ建設ラッシュが続いている。
平成一九年六月にNHKはBSで「ニューヨークまるごと72時間」というNY特集番組を放送したが、NYでは多くのクレーンが立っていて、セントラルパークの西南の角に位置する「コロンバスサークル」には、八〇階建ての「タイムワーナーセンター」が二〇〇四年にオープンした。
そこには、Oホテルが入居していて宿泊料は最低六〇〇ドルからだという。
四階建てのショッピングモールには、高級レストランや高級ブティックが軒を並べ、G地区の高級寿司店で修業した人が本店より高い料金の「MASA」をオープンしている。
地下にあるNY最大のスーパーマーケットも紹介されていた。
また、アメリカの高名な建築家プランターG氏が内装デザインを担当し、曲線のみの内装でM氏の作品を浮き立たせたブティックをはじめヨーロッパ一流ブランド店がいくつもある。
 T八丁目の五四階建てのOビルも二〇〇四に竣工した。
主にオフィスビルだが高層階は住居として販売され、平均価格は当時の価格で二五〇万ドル(約二億七〇〇〇万円)で、最上階は二六〇〇万ドル(約二八億円)だが、すぐに完売したとのこと。
平成の天皇の吹上御所の設計者、U氏設計の元A地区ヒルズの億ションを、C氏が買ったのと似たような話である。
 また、二〇〇一年の同時多発テロで崩壊したWビルの跡地には「Fタワー」(五四一メートル)をはじめとして全五棟の高層ビルが建設されることが決まり、この再建事業が完成するのは二〇一三年頃になるとのこと。
 NYもますます魅力を高めていて、衰えることがないようだ。
 東京もNYと同様魅力のある都市である。
高齢者にとっても、若者にとっても魅力に満ち住みやすい街へと変貌していっていると感じる。
 長期的に見て東京圏の夜間人口(定住人口)は、NYとその周辺とともにこれからも増え続けていくだろう。
 平成一九年一一月一六日の朝日新聞に「マンション契約率14%値下がる」との見出しで次の記事が掲載されていた。
 不動産経済研究所が15日発表した10月の首都圏のマンション市場動向調査によると、新規販売戸数に対し実際に売れた割合を示す契約率は六二・五%で、前年同月比一四・一%幅下落した。
10月では91年の56・5%に次ぐ低水準。
一戸あたりの平均販売価格は契約率は05年2月から毎月70~90%の水準で推移していたが、今年8月から好調の目安とされる70%を割り込んだ。
10月は東京23区では70%を超えたが、都内の23区外は50%~60%台だった。
この記事を読むと、一〇年以上絶好調であったマンション販売も、ここに来て息切れしたようだ。
郊外物件では今年に入ってから値引き合戦が始まっていると言われる。
 最近のマンションの販売方式は、首都圏の大型のタワーマンションであれば、下層階の低価格帯のものから上層階の高価格帯のものに向けて、一期、二期、三期、四期と区分けして分譲する方式が一般化している。

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